日本キリスト教団 赤羽教会

日本キリスト教団 赤羽教会

<< 前週「」 | 「聖霊が注がれるとき」 | 次週「」 >>

[礼拝説教]聖霊が注がれるとき

大友英樹牧師
2019年6月9日
使徒言行録15:1~12

ペンテコステの礼拝となりました。以前にレビ記23章を学びましたときに、イスラエルの民の祝祭日には、毎週の安息日、過越の祭り、それから数えて50日目に七週の祭り、そして大贖罪日というような祝祭日があることを学びました。その日は聖なる集会を開き、神さまに礼拝をささげることになっていました。過越の祭りから50日の七週の祭り、それがペンテコステと呼ばれる日となります。レビ記をみてもわかるように、元来七週の祭り、ペンテコステというのは収穫の祭りでありました。やがてこの七週の祭り、ペンテコステのときがイスラエルの民に新たな意味が加えられていくことになります。過越の祭りが出エジプトの救いの恵みと結びついていました。そこで50日目の七週の祭り、ペンテコステは、出エジプトしたイスラエルの民がモーセを通して律法を与えられたときと意義づけられることになります。出エジプトの救いを与えられて、シナイ山で律法を与えられて、神さまと契約を結んで神の民とされたということに結びつきます。ですから七週の祭り、ペンテコステというのは、イスラエルの民の民にとっては原点ともいうべき、神さまの救いの恵みを祝う三大祭り、過越の祭り、七週の祭り、大贖罪日の一つとして重んじられてきました。

新約聖書はその過越の祭りにイエスさまが小羊として十字架に死なれたことを語ります。しかもその十字架は、完全な大贖罪日の犠牲であって、ただ一度、完全なる犠牲として神の御子イエスさまが全き贖いをしてくださったこと、罪を赦してくださったことを語ります。そして復活されたイエスさまは40日にわたって教えられて、天に帰られるとき約束の言葉をお与えになりました。《あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そしてエルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリヤの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる》。ペンテコステはこの約束の聖霊が注がれて、新しい契約が結ばれたときです。イエス・キリストを主と信じる新しい神の民、キリスト教会が誕生します。聖霊が注がれるということは、天地の造り主、全能の父なる神さまが、御子イエスさまの十字架と復活によって成し遂げてくださった全人類の罪の赦しの御業を、一人一人に分け与えてくださることです。聖霊が注がれずに、イエスさまの十字架を信じることができません。聖霊が注がれてはじめて、イエスは主であると信じることができるようになります。そして教会が誕生します。

さて今日開きました聖書の箇所は、ペンテコステの日から18年ぐらい経過したときですから、48~49年ぐらいのエルサレムでの最初の教会会議です。何が議題になっていたかと言いますと、1節からのところに語られています。《ある人々がユダヤから下って来て、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と兄弟たちに教えていた。 それで、パウロやバルナバとその人たちとの間に、激しい意見の対立と論争が生じた。この件について使徒や長老たちと協議するために、パウロとバルナバ、そのほか数名の者がエルサレムへ上ることに決まった》。ユダヤ人キリスト者と異邦人キリスト者の間の救いの問題でした。一方はユダヤ人の慣習に従わなければ救われないと言い、他方はそうではないと言っている。そこでこの救いの問題を解決するためにエルサレム会議が開催されます。

6節から会議が始まりますが、この会議で重要な発言をしたのがペトロでした。7節からのところにペトロの言葉があります。ペトロのイエスさまの一番弟子であり、三度イエスさまを知らないと言ってしまった自分に、イエスさまは三度わたしを愛しているかともう一度自分を招いてくださった経験をもっています。それがペトロの召命です。《「兄弟たち、ご存じのとおり、ずっと以前に、神はあなたがたの間でわたしをお選びになりました。それは、異邦人が、わたしの口から福音の言葉を聞いて信じるようになるためです」》。ガラテヤの手紙2章にはパウロが同じエルサレム会議のことを語っています。そこにはペトロには割礼を受けた人々に対する福音が任されたとあります。確かに大きく分ければ、ペトロはユダヤ人への伝道、パウロは異邦人への伝道というように分けることができます。しかし使徒言行録でのエルサレム会議でのペトロの発言は、ユダヤ人への伝道に専心するペトロというのではなくて、神さまはわたしをお選びくださったのは、異邦人がわたしの口から福音を聞いて信じるようになるためでしたと語っています。ペトロは異邦人への伝道を体験しているのです。そして神さまの救いの御業が、異邦人になされていくことを目の当たりにしたのです。ペトロはその伝道体験を語ります。ペトロは2つの神さまの御業を語ります。

第1は異邦人にも同じ聖霊が与えられているということです。8節《人の心をお見通しになる神は、わたしたちに与えてくださったように異邦人にも聖霊を与えて、彼らをも受け入れられたことを証明なさったのです》。同じ聖霊とは何でしょうか。「わたしたちに与えてくださったように」とありますから、あの18年ぐらい前、使徒言行録2章にあるペンテコステの日に注がれた約束の聖霊、それと同じ聖霊が異邦人に注がれている、与えられているということです。ペトロは使徒言行録10章でコルネリウスという百人隊長の異邦人に伝道したことがありました。ペトロが「神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました」と語りはじめて、イエスさまの生涯を短く語り、十字架と復活を語り、イエスさまを信じる者は誰でもその名によって罪の赦しが受けられると語ります。聖書には《ペトロがこれらのことをなおも話し続けていると、御言葉を聞いている一同の上に聖霊が降った》とあります。ペトロは 「わたしたちと同様に聖霊を受けたこの人たちが、水で洗礼を受けるのを、いったいだれが妨げることができますか」と洗礼を授けたとあります。ここにも「わたしたちと同様に聖霊を受けた」、同じ聖霊です。11章にはペトロが異邦人と親しくしたということで非難を受けたので弁明をしました。ペトロは証言します。《わたしが話しだすと、聖霊が最初わたしたちの上に降ったように、彼らの上にも降ったのです》。「聖霊が最初わたしたちの上に降ったように」、同じ聖霊です。

そうした異邦人への伝道体験をしてきたペトロは、はっきりと語ることができました。《人の心をお見通しになる神は、わたしたちに与えてくださったように異邦人にも聖霊を与えて、彼らをも受け入れられたことを証明なさったのです》。聖霊は18年前のペンテコステのときにわたしたちに注がれただけではないです。今も同じ聖霊が異邦人にも注がれている。それは今も変わりません。あの2000年前のペンテコステの約束の聖霊は、今も同じ聖霊としてわたしたちに注がれています。同じ聖霊が注がれているゆえに、わたしたちは「イエスを主である」と告白し、信じてバプテスマを受けて、罪の赦しをいただいて救われているのです。今日も異邦人であるわたしたちにも同じ聖霊が注がれています。

 

第2は聖霊が注がれるとき、信仰によって心がきよめられます。9節《また、彼らの心を信仰によって清め、わたしたちと彼らとの間に何の差別をもなさいませんでした》。この9節の御言葉は、8節とひと続きの御言葉です。神さまが聖霊を注いでくださって異邦人を受け入れてくださいました。そしてユダヤ人と異邦人の間に何の差別もなさいませんでした。それだけではなくて、聖霊が注がれて信仰を与えられたゆえに、信仰によって心がきよめられるという救いの第2の恵みまで与えられています。

6月はホーリネスの群では四重の福音強調月間となっていますが、ホーリネスの群の特色教理を四重の福音と言います。新生・聖化・神癒・再臨という四重の福音です。わたしたちが救われるとはどういうことなのかを端的に言いあらわしたものです。8節の《わたしたちに与えてくださったように異邦人にも聖霊を与えて、彼らをも受け入れられたことを証明なさったのです》という御言葉は、聖霊を注がれて、イエスさまを信じ、罪の赦しをいただいて、神さまに受け入れていただいた。神の子としていただいたという第1の新生の恵みということができます。8節と9節はひと続きの御言葉であると言いましたが、8節から9節へと救いの恵みが前進します。聖書の救いというのは、ただ罪の赦しをいただくことで終わるものではありません。新しく生まれかわるだけで、神の子とされるだけで終わるものではありません。第2の救いとして聖化の恵み、きよめの恵みがあります。

聖霊が注がれるとき、いよいよ信仰から信仰へと成長していくとき、《彼らの心を信仰によって清め》とあるように、イエスさまの十字架を信じる同じ信仰によって、わたしの心をきよめてくださる。それが第2の救いである聖化の恵みです。2000年前のペンテコステの聖霊の注ぎは、エルサレム会議で語るように同じ聖霊が異邦人の上にも注がれ、今も同じ聖霊がわたしたちに注がれています。そしてその同じ聖霊は、イエスさまを信じて救われる新生の恵みのみならず、信仰によって心をきよめてくださるという聖化の恵みをもって臨んでくださいます。昔ありしごとく、今日も同じ聖霊が注がれています。わたしたちを救い、わたしたちをきよめたもう同じ聖霊があなたの注がれています。

<< 前週「」 | 次週「」 >>
日本基督教団 赤羽教会
〒115-0042 東京都北区志茂2-56-4 TEL03-3901-8939 FAX03-3901-8990
このページは、自称赤羽web委員会(略してAWA)により作られています。